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何が必要か、何を選ぶのかを考えて歳を重ねていきたい。–26歳のバースデーリフレクション–

高校生の頃、20〜25歳の大人へものすごく憧れていました。

でも気づけばあんなに憧れていた25歳ももう終わり。しかも想像していたよりもずっと幼稚でかっこ悪い。え、嘘でしょ?私はずっとこのまま歳を重ねていくの?とかなり不安になっている昨今です。

先日、約4年前に書いた自分のビジョンの記事を読み返しました。これがなかなかに面白く、過去の自分との距離を確かめているような感覚になりました。

思い返せば、最近はあまり振り返りというものをしてなかったなと。やりたいことはたくさんある。でも考えることもたくさんある。全部一気になんてできないけれど、自分の変化を残しておくことはできるかもしれない。そう思い、歳を重ねる節目の振り返りを「バースデーリフレクション」と名付けました。

この1年でできたこと

この1年で一番自分を褒めたいのは、「手をあげて動けた」こと。

社外活動では7月のXDUG東京を機に、XDUF、Adobe MAX、XDUG東京再び、書籍共著、CSS NiteとXDづくしでした。正直身に余る思いで、お声をかけていただいた時には嬉しさよりも不安や恐れ多さの方が大きくて。それでも自分の中で断るメリットも理由もなく、今までの中で一番と言っていいほどの覚悟を持ってお返事したのを覚えています。

社内では、プロジェクトマネジメントを整備をしたり、社内ワークショップを企画したり。デザイン業務だけでなく、デザイナー視点で「ここを改善していきたい」と感じていた部分に切り込むことができました。在籍4年目にして、いい意味で遠慮もなくなり、今が一番気持ちよく仕事ができています。

結果的に、どれも本当に貴重な経験になりました。この先もずっと自分の財産になるものだと思っています。関わってくださった皆様、サポートしてくださった周りの方には、本当に感謝してもしきれません。

小心者なのでしっかりとストレスも抱えましたが、それは浪費ではなく成長痛のきしみのようなもの。今まで積み重ねてこなかった部分だったので、それと戦うことを選んだ自分は褒めたいです。

この1年でできなかったこと

最近気づいたのですが、キャリアの評価軸を外した自分が空っぽなんですよね。

例えば視野の狭さ。コロナ禍で外部との繋がりが希薄になり、平日休日問わず1人でPCに向かって、1つのことに深く取り組む。もちろんそのことについては理解を深めることができるけど、今の自分の価値がそのものだけに移ってしまっているような違和感もあって。この状態が3年5年10年と続けば、きっと自分はつまらない人間になる。そんな危機感があります。

発達心理学者のメグ・ジェイ先生によると、「人生をもっとも決定する出来事の80%は、35歳までに起こる」とのこと。さらに「パーソナリティーは人生のどの時期よりも20代で一番変化し、脳は20代で人生最後の成長を遂げる」のだそうです。怖くなりました。20代も6年目、もう本格的に折り返し。そう考えると、今の自分は少し収まりすぎている気がします。

だからこれからは、もっと揺らぐことに注力をしていきたい。お金も時間も制約がゆるい今だからこそ、世の中にありふれている問題や、まだ知らないこと、いろんな人の価値観に触れて、模索していけたらいいなと思います。それらの中で何に身を寄せ、何から退くかの判断は、ひととおりキャッチアップできてからでもいいかなと。

これはもちろんキャリアについても。今までやってきたことはしっかり自分の中に取り込んで、それと同時に一歩二歩下がってアンテナを立てておく。最近興味を持っている行動経済学や社会心理学は、今ある固定概念から抜け出すのに一役かってくれるのではないかと感じています。

ただ、取り組む前から明らかに自分のポリシーに沿わないものと思ったものに対しては、しっかりとノーと言える自分でもありたいです。

この1年の印象的な知見

自分との対話が靄を晴らす

言語化できないモヤモヤがあったときに、思い切って時間をとって「価値観マップづくり」というものに取り組んでみました。MindMeisterを使って、ある表題について、なぜ?どうして?を掘り下げていくというものです。オリジナルのやり方では4項目あるのですが、まさか1項目の「自分にとっての幸せとは」で一日が終わってしまうとは…

思い返せば、自分は今まで感情の起伏とあまり仲良くできてなかったなと。その時その時で「あー今幸せだな」「今満たされないな」と思うことはあっても、それらの共通性が見えてなかったんだと思います。だからこのワークを通して、今の自分は何があって、何が足りていないのかを初めて認識することができました。ものすごくすっきりしたのを覚えています。

そしてこれ以外の項目でも、これからもっと考えていけないことがあると感覚的に思いました。時間をとってその時の自分と向き合う時間。就活以来久しく取り組んでいなかったので、すぐさま人生で初めてコーチングの体験セッションに申し込みました。

ちなみにマップのままだと見づらいので、今は10項目に集約してNotionで定期的に見返しています。

目的から作られた場は心地いい

「パーパスモデル」という考え方に出会いました。"目的が場を作る"という意味だそうです。以前から感じていたことではありましたが、自分の中でうまく定義できていなかったものでした。

これを一番身をもって感じているのは高校時代の仲間と立ち上げた劇団。劇団員のみんなとはかれこれもう10年近くの付き合いになりますが、団員たちとプライベートで遊んだことはほぼありません。いわゆる「仲良し」ではなくて、ただひとりひとりの作りたいものが一致しているコミュニティ。だから「いいね!」も「ここはもっとこうした方がいい」もちゃんと伝えあえる。「パーパスモデル」という考え方に出会って、やっとこの繋がりを説明づけることができたかなと思います。

ちなみにこれを企業などのもっと大きな組織に当てはめようとすると、パーパスを「存在意義」として考えることもあるそうです。自分の存在意義を考える…と言うとなんだか壮大ですが、パーパスマネジメントの第一人者である丹羽真理さんによると、このパーパスには

  1. 自分の大切にしている価値観に適合している
  2. 社会的意義が含まれている

という2つの要素が入っているのが大事なのだそう。

「パーパス」の考え方との出会いが、自分の今までとこれからについての理解度を深めるきっかけになりました。

自分にとってのスタンダードは、案外みんなのスタンダードじゃない

これはいい意味でも悪い意味でも。

この1年は普段の自分のやっていることや考えていることをベースにセッション内容を組み立てることが多く、準備期間中は「これを伝えたところでみんなにはもう周知の事実なんじゃないか…?」と尻込みしていたのですが、実際の反応は自分が予想していたものとは全く違っていて。「役に立った」と言っていただけることもあったり、反対に「難しすぎてわからなかった」と言う声もあったり。実際に自分の外に出してみないとどう伝わるのかわからなかったという点で、無自覚は損だなと痛感しました。

よくSNSなどで「価値のある発信をする」と言う風潮がありますが、これも同じで、その情報の価値をつけるのは結局は受け手次第。何気なく発進したものが誰かにとっては視野を広げるものだったり、そうじゃないことも当然あるのかなと。だからこれから迎えるであろう新しい接点においても、自分はありのままスタンダードな状態でいたいなと思っています。まぁそれが一番気楽ですしね。

ロールモデルはいればいるほど豊かさに繋がる

久々に「この人すごい!」と震えるくらいの衝撃を受けて、かなり自分を省みました。あまりにも有名な人なのであえて名前は伏せます。(多分すぐバレます)

自分は元々どんな人間で、どういうことが起こって、その時どんな気持ちで、何を学んで、今どんな軸があるか、といったことをしっかり筋立てて言葉で伝えられる人。でも普段のコミュニケーションは決して論理的ではなくて、飾らず人間らしく、自然と人が喜ぶようなことができる。ものの考え方や捉え方、目の前のことに傾ける姿勢も含めて、とても学ぶことが多いです。

やっぱり最終的に強く感化されるのって、結局はその人の中身なんですよね。私の人生はロールモデルに生かされてきたようなものなので、その対象が増えると確実に自分が豊かになっているのを実感できて良いです。

26歳、これから目指したいもの

自分を知る。固定概念を取り払う。客観的な視点を持つ。先ほど書いたことと重複してしまいますが、やっぱり自分にはまだまだ知らないことが多すぎる。それは仕事のことでも、それ以外でも。だから自分の興味を大切にして、今はしっかり意のまま貪欲に学びたいです。

あとは今自分がなりたい30代や40代、その先のことも思い描く。歳をとること自体は怖くないけれど、若さが1つの価値として重宝されるこの世の中で、若さが薄れていった時に何も残らない人間にはなりたくない。そんなことを最近よく考えます。幸い、目標になるような人とはもう出会うことができているので、思い描くこと自体のハードルは低いのかなと。 だからこれからは、そのために何が必要か、何を選ぶのかを考えて、自分の意思で挑戦できるようになりたいです。まずは目の前にある小さなことから。それなら今からでもすぐに動けますもんね。


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