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「WCAN2017winter」に参加しました

9日土曜日に名古屋国際会議場にて行われた「WCAN2017winter」に参加しました。私は今回が初めての受講でした。想像していたよりも人数規模が大きく最初は圧倒されていましたが、その分数々の思考に触れることができ、総じて有意義な1日になったと思います。

では、本編を振り返っていきます!


ライトニングトーク

様々なフィールドでご活躍されている5人のゲストスピーカーさんによる5分間プレゼンです。まずは株式会社エスケイワードから江口 伸行さん「Webディレクターが海外のクリエイティブアワードに挑戦した話」



海外のクリエイティブアワードというと、私自身かなり敷居が高いイメージがあります。言語の壁に始まり文化の違い、さらには評価基準の不鮮明さなど…。しかし江口さん曰く、挑戦後には「デザイン評価の向上」「問い合わせ増加」「チーム力強化」など目に見えるメリットを得ることができたそうです。「誰に何をしてもらうサイトなのかしっかりと考えて適切なデザインを」という視点は世界各国共通ですね。しかしこれが中々に難しいのも事実。おそらく現場では目の前のタスクを見つめがちになると思いますが、度々物事を俯瞰して、目的を見失わないようにしていきたいです。

2人目はトライデントコンピュータ専門学校から北濱大輔さん「自分のブログを高速化してみた」



サイトの表示速度に関しては私もストレスを感じた経験があったので、この解決方法を身につけておくだけでも相当武器になるのではと思います。デザイナー予定の私は、特に画像ファイルの軽量化を改めて意識しなくてはと感じました。グェツリ、覚えておきます。

また聴講した後に北濱さんのブログを訪問させていただきました。個人的には、以前の仕様と現在の読み込みの速度を比較体験してみたいです。比較実力主義のwebの世界では学生さんから学ぶこともたくさんありますね。初めて聞く単語なども多かったのでまた調べていきたいです。

3人目はセイノーアジアトレーディング株式会社から田口 大輔さん「中国W11(独身の日)速報2017!」



「えっきょうEC…?」聞きなれない単語にアタフタしていたら、咀嚼不足のまま5分間が終わってしまい非常に悔しかったです。私のような人は少数派なのでしょうか。しかしこれは越境ECについて調べるいい機会を与えていただきましたね。

情報過多になるのもよろしくないのでとりあえず2つの記事を読んでみました。

インバウンドより凄い「越境EC」って何?

そもそも越境ECってどんなモノがどんな理由で売れるのか - データから見るポテンシャルと傾向

私自身学部柄、人口減少により労働力の低下が懸念される日本-その経済を維持していく方法論としてのインバウンドには注目していました。しかし日本国内のみで消費を回そうとするのは、外国人にとっては非常にタイト且つリスキーな購買になりかねません。だからこそITが役割を買って出ることができるのですね。

「コト消費」に注目されている通り、どのようなルートの売買でも「使いやすさ」や「自己幸福」など体験に基づいた満足度が測られるようになってきました。それはweb上でも同じで、ターゲットを見据えて実際に購入していただくまでのシステムを考えなければいけません。そこにどのような「満足」を予測し施すか、こちらにも慎重なマーケティングが必要なのだと感じました。

4人目は株式会社サービシンクから上田 洋介さん「コンペに勝つWebデザイン」



「この方法を選ばずにはいられない根拠を」という点が印象深いです。「かっこいい感じ」「ポップな感じ」「リズミカルな感じ」これらの言葉はニュアンスさえ分かれど実際は非常に曖昧なもの。時と場合により押し付けがましくただアイデアを縛るだけの文字列になりかねません。ではディレクションにおいていかにデザインに説得力を持たせるべきか、その根拠としての「データ」を引き合いにお話されていました。具体的には論理的理由・心理統計結果など。大学のレポートを書く際も出典を記載しますよね。「自分はこう思う」の裏付けとして、その考えを構築したものを提示する行為の重要性を改めて実感しました。

5人目はフリーランスwebデザイナーの角田 綾佳さん「アニメーションを共有するためにできること」



私にとってアニメーションはまだまだこれからの分野ですが、外部と紙を媒体にしてミーティングを行う現場がある以上、共有方法の壁が立ちはだかることは予測できます。講演内で紹介されていたprincipleなどは、確かに明快で精度が高いなあと思う反面、「この技術も習得せねばならんのか…。」という不安も拭いきれません。でもこちらでも最終目的は「意図がしっかり伝わること」だと思うので、ツールにこだわりすぎず、gifやペーパープロトタイピングも活用して「伝え方」を磨いていきたいと思います。

メインセッション

ここからはメインセッションの振り返りです。1時間しっかりとゲストスピーカーさんの思考を汲み取っていきます。

①田口 真行さん「ディレクション思考」


一般的に唱えられているwebサイト制作のフロー「企画→設計→制作→成果物」この全てのスタート地点である「目的」の重要性についてのお話でした。この軸がブレてしまうと着地点が見出せず、蛇行を強いられる船のような状態になってしまうとのこと。この考えはディレクターだけでなくデザイナーにとっても基礎となるものだと感じます。

しかし現場では、その「目的」を見出すのが至難の技だそうです。確かにクライアントさんは、webのプロに依頼しているという状況下で「現状」と「曖昧な目的」以外の情報を持っているはずがありません。(ここでの曖昧な目的とは、先ほども少し話題に触れた「かっこいい感じで」などの表面上のイメージなどを指しています。)

そこで期待されているのは、私たちwebに関わっている者の視点からの分析や提案です。その話し合いを通じて初めて、「本当の目的」が見えてくるのだと思います。先ほどの例の続きだと、「かっこいい感じで」から「何故かっこよくしたいのか」とその理由の元を辿るような行為ですが、ここに混合しがちな心構えがあるそうです。

ヒアリングとは?

先にお話しされていた結論を書いてしまいましょう。

○クライアントの話を引き出す行為

×クライアントの話を聞く行為

この一つの行動に対しても「目的」がありますね。例えば後者の「聞く行為」で完結してしまうのならば、ただ対話をしているだけでヒアリングと言い切れてしまいます。しかし前者の「引き出す行為」として捉えると、対話はその中に潜む核を探す一つの過程にすぎません。そこを掘り当てる「目的」を伴わなければ、ヒアリングとは言えないとのことでした。

しかしその全てを言語化できるかといったらこれもまた難しく。第一私自身も、言語化できない部分を補うのがデザインやアートの役割だと考えているので、成果物がデザインとして形になる以上、その根本の目的が曖昧になってしまうのも納得がいきます。田口さんの考えるヒアリングが説得力を持つ理由は、そのような言語化に拘るのではなく、いかに「曖昧さを回避」するか、という点に最も注力しているからです。

デザイナーとして

一連のお話を伺って、ふとデザイナーとしてそのヒアリング力を高めるにはどうすれば良いのだろうと疑問に思いました。現場での経験量は必須だと思いますが、このような力はsketchやphotoshopと違って、目に見えて「力がついてきた!」と感じる尺度がありません。この心構えが外部でアウトプットできた、というような感覚は、おそらくクライアントさんなどの自分以外の目を通して知らされるのだと思います。

さらに、ヒアリングによって引き出すことができればそれを形にする力も必要だと感じます。特に「本当の目的」に対して、提案できる何通りもの選択肢の中で、最適だと思われるものを抽出する力など。まずは引き出しを増やす、そして頭の中でそれぞれにタグをつけていく、最後は回路を結んでいつでも自由に検索できるようにする…道のりは長いですね。

②長谷川 恭久さん「既に来ている機械化の波とデザイナーができること」


電話や車やパソコンなどの革命も最初は敬遠する人がいたように、次々と変わっていく環境を予測するのは難しいとのことで。abodestockやphotoshopelementsなどを例に上げられていましたが、機械はもうすでに「こんなことまでできちゃうの?」というところまで足を踏み入れていますね。webを仕事にするならば最新を追い求める必要がある、というのも、この領域の特性を強く反映する価値観だと思います。今回お話されたのは、そのような機械化の波にのまれず、むしろ協力し合うという視点でした。ではそれを実現する具体的なケースはどのようなものなのでしょうか。

機械化できるところは積極的に

例えばsketch。私も触っている身で知らなかったのですが、sketchではレスポンシブの配置自動ができるのだそうです。アートボートのサイズを変更すると、それに伴って表示されているデザインも自動で変わっていました。デザイナーは、この「模索がしやすくなった環境」を利用して作業効率を向上することができます。

日常生活でも、新しい商品の発売によりどんどんと生活が便利になってきています。しかしこれを非難する声も聞かないわけではありません。私は、そのような否定派の根本の不安は、「人間の能力が退化してしまうこと」にあるのだと思います。料理の自動化がボケにつながる、掃除の自動化が体力低下につながるなど…。これは機械を上手く利用できていない代表的な例なのではないでしょうか。

「人間の手を介すことなくある工程ができるようになった」環境に置かれた時に大事なのは、それと「どう付き合っていくか」であり、流行るも廃れるも使うも捨てるも「捉え方次第」だと思います。ある部分が機械化したならそれを利用してできることを増やすといったように、積極的に巻き込んで効率よく能力を伸ばしていきたいですね。

一人のデザイナーに依存しないシステム化

なるほどな、と思いました。特定のデザインツールに対する知識を持ち合わせていなくても、それを補うようなシステムを使えば、いくらでも仕事は分担できるということです。一つの機能に負担が集中するのを避けるだけでなく、デザイナーは細部の表現の検討、そして長谷川さんのおっしゃった「もしもを考慮した柔軟性や拡張性のあるデザイン」に時間を費やすこともできます。このように捉えれば、普遍的に仕事に手が付けれる環境もつい導入したくなります。

作るだけにとどまらない課題解決

デザイナーはAIが苦手とする分野(感情や情緒的な面)で問題にアプローチしていくことができます。AIの分析は統計など数値によるものがほとんどだと思うので、この面でも協力できることが大いにありそうです。具体的な問題解決については先ほどの田口さんのメインセッションでお話された思考も参考にしたいと思います。

パネルディスカッション


先ほどのセッションが思考内容であるならば、このディスカッションではお二人の思考を作り上げてきたwebに対する姿勢が伺えました。予想はしていたのですが、やはり情報への執着が並大抵ではありませんでした。書籍からwebから、得るべきものは徹底して食らいついてきたのですね。

対して予想外だったのは「やりとりをする」という点です。情報を得るだけでなく、それに対する見解をブログやSNSで発信し、またそこに帰ってきた意見を取り込み…というループ。発信するのも、自身に対する意見を読むのも気力を使う行為だと思うのですが、それを躊躇することなく実践されている点は是非とも見習いたいなあと思います。

また紹介していただいたオススメの書籍は再度調べて目を通したいです。大変参考になりました。次回のwcanディスカッションでは何か質問を投稿してみたいと思います。

ラスト!懇親会


お気づきでしょうか。そろそろ文章を書く集中力が切れて参りました。簡潔にいきます。

今回のイベントでは35人ほどの参加者さんとお話させていただきました。ありがとうございました。それぞれキャリアや仕事場は違うものの常に上を目指しているかたばかりで、私自身のモチベーションも向上しました。そして何よりもみなさん生き生きとお仕事をされていて、私の目指す社会人の理想の姿であったように思います。

また私自身、今回のwcanから本格的に皆様とお会いする機会が増えていくと思いますので、そろそろSNSも始動していきたいと思います。そちらの方でもご挨拶させていただくと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

おまけ

初参戦のビンゴ大会ではうまい棒を勝ち取りました!詳細は

  • チーズ味      4本
  • テリヤキバーガー味 2本
  • シュガーラスク味  2本
  • たこ焼き味     2本

計10本です。誠にありがとうございました!


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